ウォルト・ディズニーが残したもの

セルマ・ハワードはディズニー家の家政婦として30年間務めた。

そしてクリスマスと誕生日には、ディズニー社株をボーナスとして

受け取った。ウォルトは言った。「この株を手放さないでおくんだよ。

きっと、値が上がるから」

 

そこでセルマはその株をずっと持っていた。残りの人生を質素に送り、

株券は金庫にしまったまま。そして、1980年代初頭に亡くなった。

一見、とても貧しいままで。セルマの遺言書には、遺産の半分は

障害者施設で暮らしている、ひとり息子のマイケルに譲ると記されて

いた。残りの半分は、貧困や障害に苦しむ子供たちのために寄付

された。

 

セルマの死後、遺言執行者が遺産について調べると、株券が見つ

かった。時価にして450万ドル(当時の為替レートで約10億円)。

セルマは自分が百万長者であることをまったく知らずに死んだのだ。

 

セルマ・ハワードのように、あなたも、わたしも、ウォルト・ディズニー

からすばらしい遺産を受け取っている――現金や株券より、もっと

貴重な遺産を。

 

アメリカの作家、パット・ウィリアムズが著したウォルト・ディズニーの

伝記 「HOW TO BE LIKE WALT」 より