新 将命 著「私はこうして外資系トップとして仕事をしてきた」より
(あたらし まさみ……シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・
エンド・ジョンソン、フィリップなど、グローバル・エクセレント・
カンパニー6 社で社長職を3 社、副社長職を1 社経験)
日本人的気働きの例。
あるオーストラリアの経営者が日本企業を訪問した。
一万円札を両替しようと思って受付の女性に依頼した。
「かしこまりました」といって席を立った彼女が戻ってきたときに、
手に持っていたのは、
五千円札1枚、千円札4枚、五百円玉1個、百円玉5個だった。
そのオーストラリア人経営者は、これを見て叫んだ。
「私はココに生産性の神髄をみた!」
私(新 将命)も外国暮らしが長いので、その感覚がよくわかった。
例えば、アメリカ人に百ドル札の両替を頼んだならば、
十ドル札を10枚持ってくるだろう。
使う身になって大銭小銭を交ぜてきたのが日本人的気働きという
ものである。
これに感心したのと同時に、その経営者はすっかりニッポンびいき
になってしまったという。