先日のブログでご紹介した日本画家・千住 博さんのトーク
セッションで聞いた話です。
『私はアトリエで、毎日、朝6時30分から作品を描いています。
アトリエに入った時にすでに勝負はついています。
芸術家であれば、作品を描くために24時間アンテナを張って
いなければいけません。
製作中、自分の作品がうまく見えはじめたら、筆を置くことに
しています。
うまく見えるのは、疲れによる錯覚と考えて間違いありません』
また、参加者の質問に対して、
質問: 千住さんは、著作の中で『すべての自分の作品を取り
戻したい』と書いていますが、実際に取り戻した作品はあるの
ですか?
回答: 『自分の作品は、信頼のおけるコレクターにしか渡し
ません。
ごくまれに自分の作品がオークションに出ると、裏切られた
気持ちになります。
だから、自分の作品がオークションに出ることが事前に
わかっている時は、出る前に買い取っています。
そして、気に入らない場合は必ず破り捨て、後世に残さない
ようにしています。
わたしの弟子になる条件は、破れと言ったら、即座に破れる
ことです』
彼は紳士であるとともに、自分自身に対してとても真摯な方
だな、という印象を受けました。